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親子の奇跡の物語・・・『ご家族の力には医療に勝る奇跡が起こることがあります』

親子の奇跡の物語・・・『ご家族の力には医療に勝る奇跡が起こることがあります』

『看護師と患者と涙』57話。私が救急外来に務めていた頃のお話です。くも膜下出血で回復の見込みが厳しかった患者さんとお母様の奇跡の物語です・・・

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看護師と患者と涙
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救急外来勤務の時のお話です。25歳の男性、原田さんが搬送されると救急より伝達がありました。原田さんが運ばれてきたときは意識もなく一刻を争う状態で、付き添いでこられたお母さんも放心状態で話を聞ける状態ではありませんでした。
原田さんは頭痛を訴えて起床し、階段を降りたとこで嘔吐してそのまま意識を失いました。診断結果はくも膜下出血でした。「何でもっと早く気づいてあげられなかったのか・・・頭が痛いなんて今までなかったんです!命だけでも助けてください!」
「大変危険な状態です。手術をします」「おそらく麻痺などの障害がのこると思います」「・・・!」手術は成功しましたが依然意識は戻らず、出血の範囲も広く麻痺がのこる確率が極めて高い様子でした。
お母さんは毎日許される限り面会に来られ、手足をさすり献身的に介護されました。「・・・いつになったら会話できますか?」「お母さん余り無理されるとお母さんが体調を崩されます」「・・・・」「夜間も看護師が見ていますから1日くらいゆっくり寝てください」
「家にいたくないんです。あの日苦しんでいる光景が目に浮かんで・・・」「主人とは離婚し、息子と2人でがんばってきました。」「反抗期はありましたけど、社会人になってからは会社の話やボーナスで旅行に連れて行ってくれたり・・・」
「この子とまだ一緒にいたいんです」「障害が残ってもまた2人で乗り越えていきます」「だから生きてほしい」その後も原田さんの意識は戻らず、全介助のまま一般病棟にうつられました。主治医からは、このままだと回復は難しいと言われていました。
しかし半年も過ぎた頃・・・車椅子に乗った青年が外来にやってきました。なんと、原田さん親子でした。「お世話になりました。歩行器を使えば歩けるくらいになりました 助けていただきありがとうございます!」
「本当に助けていただきありがとうございます」「麻痺がまだありますが、リハビリを続ければ職場復帰もできるかもと言われています」「助けていただいた命を2人で大事にします」
本当に驚きました。私たち医療者は知識がある故に最悪な結果も想定し、仕事をしています。しかし、ご家族は絶対に助けたいと懸命に患者さんを支えていらっしゃいます。ご家族の力には、医療に勝る奇跡が起こる頃があります。
原田さん親子と再開できた事は、その奇跡に立ち会えた瞬間であり 看護師として、患者さんが元気に自宅へ戻ることができるという嬉しい瞬間を味合わせていただいた日でもありました。
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イラストレーター紹介

このたび、infyさんとご縁がありまして連載をさせていただくことになりました、イラストライターのpuyoyoと申します。

看護師さんが共感できて、感動できるものを作成できればと思います。
どうぞ宜しくお願いいたします。

アカウント:@puyoyo_net
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