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転倒・転落を予防するための看護計画

転倒・転落を予防するための看護計画

転倒・転落の危険因子とアセスメント、 予防のための看護計画について知っておきましょう。

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≪認知機能の低下≫

認知機能が低下している患者さんには、ナースコールや補助器具の使い方を説明しても、それらを忘れてしまうリスクがあります。

また、患者さん自身が認知機能が低下していることを認めず、協力を得られないことも考えられます。

≪手伝ってもらうことへの罪悪感≫

「忙しそうだったので頼みづらかった」と、看護師さんへ迷惑をかけることの罪悪感から自分で対応してしまうといったことも転倒転落へ繋がってしまいます。

看護師さんへの思いやりからの行動ではありますが、迷惑ではないことをしっかりと伝えてあげ、罪悪感が生まれないような関係性を作れるようにしましょう。

患者さんにうまく頼ってもらうには…?

看護師さんに頼れない患者さんの心理は分かりましたが、
転倒転落を起こさない為にも患者さんにうまく頼ってもらえるようにするのは、どうしたらよいのでしょうか。

≪何度も繰り返し説明を行うこと≫

ナースコールや転倒転落防止用品の使い方は何度も繰り返し説明を行い、
理解しているかどうか目の前で患者さん自身に使ってもらい、確認しましょう。

また、自身の身体機能が落ちていることを認めてくれない患者さんについても、
誠意を持って今の身体状態について伝えてあげましょう。

≪患者さんの性格を理解すること≫

患者さんの性格を理解してあげることも大切です。
患者さんによっては、子どもと同じような扱い方や話し方をされることを嫌がる方もいらっしゃいますし、淡々と説明口調で話されると聞く耳を持ってくれない方もいます。

性格を理解してあげて患者さんにあった応対方法をとることで、
説明を聞いてくれるようになったり、素直に看護師さんを頼ってくれることに繋がります。

≪普段からのコミュニケーションを怠らないこと≫

普段から患者さんとコミュニケーションをとるようにしていれば、
信頼関係が構築され、患者さん側から看護師さんを頼ってくれるようになります。

「少しでも不安があれば声を掛けて」「いつでも頼って」といった気持ちを伝えてあげれば、
患者さんもその言葉に安心し、何かを頼むことに罪悪感を感じることはないでしょう。

転倒転落の予防にはチェックシートが有効!

転倒転落の予防にはチェックシートが効果的です。
日本医師会が「転倒転落アセスメントスコアシート」のサンプルを提供しています。
そのサンプルを参考にし、自身の病院に合わせた独自のチェックシートを作成するのがベストです。

以下はサンプルに載っている転倒・転落リスクの一例です。
どれくらいあるか、あらかじめ知っておくためにチェックしましょう。

・年齢:65歳以上である

・既往歴:転倒・転落したことがある(日常的にスポーツ等での転倒・転落を除く)

・感覚:平衡感覚障害がある(めまい等)、視力障害がある(日常生活に支障がある)、聴力障害がある(通常会話に支障がある)

・運動機能障害:足腰の弱り・筋力低下がある、麻痺がある、痺れ感がある、骨・関節異常がある(拘縮・変形)

・認識力:痴呆症状がある、不穏行動がある、判断力・理解力・記憶力の低下がある、
見当識障害・意識障害がある

・泄:尿・便失禁がある、夜間トイレに行くことが多い、頻尿がある、室内にトイレがない、ポータブルトイレを使用している、車椅子トイレを使用している、BTを使用している(ウロストミーである)


<観察Ⅱ~Ⅲ>

・バイタルサイン(発熱・貧血・低血圧など)

・ADL自立度(自立・要介助)介助項目(食事・歩行・移動)

・身体的機能障害(視力・聴力・麻痺・痺れ・骨,関節の異常<拘縮 変形>・筋力低下・ふらつきなど)

・認知的機能障害(痴呆・意識混濁・見当識障害・判断力・理解力・注意力・記憶力の低下・うつ状態)

・活動状況(車椅子・杖・歩行器を使用・移動時介助・姿勢異常・寝たきり・不穏行動)


<対策>
・ベッド:ベッドの高さ、ストッパーの固定、ベッド柵の使用、床頭台・オーバーテーブルの整頓・及び固定、部屋は観察しやすい所にある又は移動する

・歩行:出来るだけバリアフリーにして廊下・階段に障害物を置かない、床の滑りに注意し水などは必ず拭く、点滴スタンド・輸液ポンプの安全確認

・車椅子:移動する周囲を整理する、移動時は付き添うか又は介助する、移動の際に双方の高さは同じにする、進行方向の安全を確認しながらスピードにも注意する

・入浴:浴室環境整備(段差・手すり・障害物の確認)、介助者は同時に2つの行為を行わず患者を視野におき必ず介助する

・指導:日中の離床を促して昼夜のリズムをつける、薬剤の使用後はその効果と副作用や影響を確認し注意を促す、医師を含め全体で連携して観察・アセスメントを行う、・家族も含め事故の危険を共有し協力・理解を得る(同意書)

まとめ

転倒転落を起こさない為にも、
まずは患者さんごとの危険因子(リスク)をよく理解しておき、その患者さん自身の性格を知っておくことが大切です。

また、日頃のコミュニケーションを欠かさないことで、
患者さんの行動範囲や思考パターンを予想してリスクに備えておくことも重要となります。
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