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私の看護観の軸になった先輩の言葉『許してあげようね。それが看護師っ!』

私の看護観の軸になった先輩の言葉『許してあげようね。それが看護師っ!』

「ありがとう。看護師と患者の物語」15話。認知症があり、他の疾患で入院している患者さんをうけもつことになりました。その患者さんは、認知症により物を盗られる妄想があったり、暴力を振るってしまう方でした。その患者さんを通して、学んだ私の看護観のお話。

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ある日、認知症があり、他の疾患で入院している患者さんをうけもつことになりました。
その患者さんは、認知症により物を盗られる妄想があったり、暴力を振るってしまう方でした。
そんな患者さんをはじめて受け持った日のことです。

患者さん

「看護師さん看護師さん、わたしのお財布しらんかねー?ここにおいておいたんじゃが?」



「大野さん、お財布はご家族の方に預けてますから、大丈夫ですよ」

患者さん

「いや、そんなわけはない。自分の物は自分でもっとるわ!あんた、なんか隠しとるじゃろ!!



「大野さん、隠してないですよ!一緒に探してみましょうか?ご家族に電話をしてみますか?

患者さん

「いや、私はわかっとるんよ!あんたが盗ったんじゃろ!白状しんさい!!」

大野さんは感情的になり、取り乱しはじめました。



「大野さん、だれも盗る人はいません。今ご家族に電話をして聞いてみましょう?」

患者さん

「電話なんせん!あんたが犯人よー‼︎看護師なんて嘘ついてから!いい加減にせぇーー‼︎」

「バシーン‼︎‼︎」

わたしは右頰に見事な平手打ちをくらいました。
ショックでした。

一生懸命看護して大野さんのために頑張っても叩かれるなんて…
涙が止まりませんでした。

先輩看護師

「大野さん、暴力はだめですね。今日は私が担当を代わります。お話し伺いますよ。」

先輩は手で私に払うような合図をして、向こうに行くように目配せをしてくれました。

先輩が気をそらせてくれたすきに、休憩室へはいりました。
悔しいきもち、悲しさ気持ち、色々な感情が湧き上がり、涙が止まりませんでした。

そんな時、先輩が休憩室に入ってきました。

先輩

「大丈夫?あれはキツイわぁ〜。私でも泣く!私あなたの対応見てたけど、凄かったと思うよ。
患者さんの立場気持ちに寄り添って話してたし、否定したりしなかったよね。

間違ってないよ。
間違ってないし、頑張って看護してるのになんでっ…て思うよね。
辛いね。でも病気だから、、許してあげようね。それが看護師っ!」

私は先輩の、最後の「それが看護師っ!」という言葉にはっ!としました。

私は看護師なんだ。どんな患者さんとも向き合わなきゃ。病気とも向き合わなきゃ!と散々泣いたあと、やっと気持ちを入れ替えることにしました。

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