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患者さんにとって、がんばることが正しいとは限らない・・・『もうがんばれない。まだ頑張るの?』

患者さんにとって、がんばることが正しいとは限らない・・・『もうがんばれない。まだ頑張るの?』

『看護師と患者と涙』47 話。当時、小児科の急性期病院に勤めていた私は「看取り」とは疎遠でした。ある日、「看取り」のために小児癌の男の子が搬送されてきたのですが・・・「看取り」について看護観が変わった思い出深い出来事です。

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看護師と患者と涙
小児科の急性期病院に勤務していた時のお話です。そのため、当時の私は『看取り』とは疎遠でした。
基本的には「助けることが第一」な種類の病院で毎日毎日搬送されては2、3日で回復し、退院していくような慌ただしい毎日でした。
ある日某大学病院に入院していた小児癌の9歳優斗くんが、自宅近くでの看取りを希望され私の勤める病院に搬送されてきました。優斗くんは他の子との接触を避け個室管理になりました。
当時の私は「助けることが第一」という信念だったため、小さい子どもを「看取る」という行為の理解に苦しみ、日に日に弱っていく優斗くんに「がんばれ、がんばれ」と声をかけ続けていました。
しかし、それとは裏腹に不治の病とは残酷でついに優斗くんの呼吸が乱れ始めました。ナースステーションにもいよいよかという空気が流れ始めました。
私は変わらず「がんばれ」と言い続けました。しかし、バイタルサインをはかる私に、優斗くんはか細い声で「もうがんばれない」「まだがんばるの?」と言いました。
私は思わず言葉につまり沈黙になりました。その時、隣にいた先輩が「大丈夫」「もうがんばらなくてもいいよ優斗くん・・・」その言葉を聞いて、優斗くんは笑ったような気がしました。
そして、ご家族が駆け付け、家族全員に囲まれて優斗くんは亡くなりました。「なぜ、こんなに小さい子が・・・」と、とても悔しい思いで私は涙が堪えきれませんでした。
ご家族の隣で佇む私に、優斗くんのお母さんは言いました。「苦しみを取り除き自然の摂理に伴い優斗は逝きました あなたのおかげです」「優斗から死ぬ不安を消してくれて・・・ありがとうございました」
私はその言葉を聞いた時に命を救うだけが看護じゃない。いろいろな選択肢の中で患者さんに寄り添うことが看護なんだと学びました。いまでも、優斗くんのことが最後のほっとしたような笑みが忘れられません。「看取り」についての看護観が変わった出来事でした。

イラストレーター紹介

このたび、infyさんとご縁がありまして連載をさせていただくことになりました、イラストライターのpuyoyoと申します。

看護師さんが共感できて、感動できるものを作成できればと思います。
どうぞ宜しくお願いいたします。

アカウント:@puyoyo_net
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