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ある夏の花火『みんなを笑顔にする夏の花、どうか散らないで』

ある夏の花火『みんなを笑顔にする夏の花、どうか散らないで』

「ありがとう。看護師と患者の物語」3話。ある夏のお話。その日は花火大会でした。歩ける患者さんはみんなで窓から大きな花火を眺めていました。そんななか、ある90代の寝たきりの患者さんが突然大きな声で「何ぼさっとしとるんや!空爆が始まっとるやないか!はやくあんたら防空壕ににげんかい!電気消さなあかん!!ここが標的になる!」

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ある夏の日その日は花火大会がありました。
花火大会のところから私の病院は近いため、病院から花火をみることができます。
花火を見ることができるので、花火の音も凄く聞こえます。

夜勤をしていると、花火が始まりました。
歩ける患者さんはみんな花火をみます。

その時に寝たきりの90代男性の患者さんが突然叫びだしてびっくり。
どうしたのか聞くと

「何ぼさっとしとるんや!空爆が始まっとるやないか!はやくあんたら防空壕ににげんかい!電気消さなあかん!!ここが標的になる!」と言うのです。

私はその患者さんに「今花火してるんやで!」と言っても信じてくれません。

夜でしたが車椅子に移乗し花火を見せてあげました。

すると

「じつは花火って知ってたんや。みんな話ししてたからな。入院しててもいつも音だけやし花火見たくても誰も見してくれなかったから嘘ついたんや!ははは!ひっかかったなー!」と嬉しそうに花火をみていました。

寝たきりの患者さんは毎日寝てるだけで刺激がなく、数メートル先に花火が上がってても見れない。

寝たきりの患者さんは見れないことが当たり前にしてはいけないと、夜勤スタッフのメンバーに声をかけ、車椅子に移乗できる患者さんは車椅子に乗ってもらいみんなで花火をみました。

みんなとてもとても嬉しそうでした。
業務はかなり押して、忙しい夜勤となってしまいましたが、みんなで見る花火は最高でした。

イラストライター紹介

イラストレーターのオカ サヤカと申します。
温かいイラストで、皆さまの素敵なエピソードを彩ることができていたら幸いです。
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