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別れは突然に・・・『取り残されてしまったけど、主人を看取ることができて幸せです。』

別れは突然に・・・『取り残されてしまったけど、主人を看取ることができて幸せです。』

ありがとう。看護師と患者の物語。38話。ご夫婦で入院されていた患者さんのお話です。毎日、一緒にいるおしどり夫婦で看護師たちはそんな姿に癒されていました。しかし、奥さんの退院が決まった後・・・

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私が外科に勤めていた時のことです。 その患者さんは夫婦で入院されていました。 奥さんの病名は『腸閉塞』、ご主人の病名は『胃がん』でした。

2人とも80代の夫婦で、お子さんはいらっしゃいませんでした。 奥さんはイレウス管が入っており、以前に腰部圧迫骨折をしていたので、歩行器でがないと歩くことが難しく、ほとんど寝たきりでした。

ご主人は、胃がんのターミナルでガン疼痛のため麻薬にて疼痛コントロールをしていました 。
ご主人の方は歩くことができ、毎日奥さんの病室までお見舞いにいらしていました。

奥さんは「お父さんが毎日来てくれるから退屈しなくていいわ。この鼻のチューブはしんどいけど、頑張れる」とつらい治療に耐えていました。

ご主人も夫婦で入院してるから毎日妻の見舞いができると喜んでいました。
だんだんと奥さんの症状は落ち着き、腸のバイパスオペをすることになりました。

手術当日も、奥さんが手術室に向かうまでの間、ご主人に付き添ってもらいました。

ご主人がご自分の病室で、奥さんを待っており「恵子が手術中やけど自分も入院してる。おかげで寝ながら待てるわ!」と面白くお話しされていました。

無事にオペは成功し、奥さんも徐々に回復され、食事も開始になりました。

その後は、お2人で昼食を談話室で食べられたりと、ご夫婦の仲の良い姿にみんな癒されていました。

それから 奥さんの病状は安定しており、1週間後程で特に問題なければ退院と診断されました。 ご主人は1人で入院になるから寂しい・・・と、かなり悲しそうな様子でした。

しかし、その話しをした数日後の夜に突然ご主人が突然吐血・下血し急変されました。

夜中だったのですが、奥さんの病室まで行き、すぐにご主人の元にお連れしましました。

そして吐血から1時間後永眠されました。
奥さんは泣きながら「私の退院が決まって、1人取り残されるから寂しかったんですかね 。私は取り残されてしまったけど。でも、入院していたから主人を看取ることができて幸せです。」と涙ながら話ししてくださいました。

もしも奥さんが先に退院してきたら看取れなかったかもしれません。
夫婦2人でずっと支え合ってきたからこそ、奥さんに看取ってほしいからその日をご主人が選んだかもしれません。

イラストレーター紹介

イラストレーターのオカ サヤカと申します。
温かいイラストで、皆さまの素敵なエピソードを彩ることができていたら幸いです。
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