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『ずっとやってれば慣れるよ。大丈夫。』忘れられない患者さん、本当にありがとうございました。

『ずっとやってれば慣れるよ。大丈夫。』忘れられない患者さん、本当にありがとうございました。

「ありがとう。看護師と患者の物語」2話。今回はある看護師と患者さんのお話。皆さんには忘れられない患者さんはいますか?ありがとうと何度言っても感謝仕切れない・・・看護師としての今を支えてくれている患者さんです。

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私が循環器病棟で働いていたときのことです。
循環器病棟の患者さんは入退院を繰り返していることが多く、当時2年目の看護師だった私よりも病院に慣れている患者さんが多くいらっしゃいました。

Aさんもその中の一人でした。
まだ40代であったAさんは心筋梗塞により心不全症状が見られ、入退院を繰り返している患者さんでした。

Aさんは気さくな方でまだまだ新人に近かった私にも優しく接してくださいました。

慣れない創処置で手際が悪かった私に「ずっとやってれば慣れるよ。大丈夫。」とおっしゃてくれたり、採血のときは「血管細くてやりにくいんでしょ?いくらでもどうぞ。」とおしゃってくれました。

そんなとき私は他の病棟への異動が決まりました。循環器病棟に配属され1年半、やっと仕事の要領がつかめ少しずつ看護師として働くことが楽しく感じていた頃でした。

また循環器看護をもっと勉強したいと思っていた矢先の辞令で正直不安が大きく、異動するまでの時間とても憂鬱でした。

そんなときAさんの日勤担当になり、「私、異動することになったんです。やっと仕事に慣れてきたと思っていたので正直異動したくないです。」と涙ながらに話すと「若いうちにいろいろと経験していた方がいいよ。その方がきっと気楽だよ。」と話してくださいました。

異動して1ヶ月後、Aさんは心不全症状の増悪により起き上がることができなくなりました。
同期からAさんの状態を聞いてAさんの病室へ行きました。

「Aさん!私だよ!覚えてる?」と声をかけるとAさんは目をうっすら開けてうなずき「元気そうだね。」と力弱く話されました。私は何も言えず涙をこらえるのに必死でした。

その1週間後、Aさんは亡くなりました。

私は患者さんであるAさんに励まされ、異動しても前向きな気持ちで看護師を続けることができました。

Aさんがおっしゃった「いろいろ経験しておくと良い」という言葉のおかけで、新しい仕事に挑戦したり、様々なことを学んでいこうという気持ちになれました。ときに看護師は患者さんからケアされることもあると感じています。

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