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消息不明だった父と娘の最後の再会『ご・・め・・ん・・な・・あいこ』

消息不明だった父と娘の最後の再会『ご・・め・・ん・・な・・あいこ』

「ありがとう。看護師と患者の物語」17話。とある精神科病院に入院している70代の生活保護で認知症の橘さん。 公園でホームレスをしており、保護され入院となりました。そこで生保担当者にお願いし、本人が「生まれも育ちも大阪よ~仕事もしようたしな」という言葉を頼りに家族の捜索が始まりました。

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とある精神科病院に入院している70代の生活保護で認知症の橘さん。
公園でホームレスをしており、保護され入院となった。

ある時から
「(ご飯)もうええわ、さげてや」
と不機嫌そうに言いだし、食べる量もどんどん減りみるみる痩せていった。

大きな病院で検査をして末期の胃ガンと判明しましたが、本人は高齢と認知症ということもあり今後の治療方針の決断は難しいということ。またホームレスをしておりキーパソンもはっきりしませんでした。

そこで生保担当者にお願いし、本人が「生まれも育ちも大阪よ~仕事もしようたしな」
という言葉を頼りに家族の捜索が始まりました。

本人は日に日に衰弱し起きれなくなり半年くらい経ったとき、
「このまま見つからんかったら無縁仏になるじゃろ~」と言われ始めた矢先に、


生保担当者:「Tさんの娘さんが大阪にいることが分かりました。個人情報のこともありますので娘さんの方からA病院さんの方に連絡してもらうよう伝えています。」

数時間後弟さんより主治医に電話があり

主治医:「2、3ヶ月くらい前から食事量も減ってきて本人も食べるときに喉につかえるようなんでこちらにあるA病院で検査をしたら胃ガンということが分かりました。まだ本人には伝えていませんが薄々何かおかしいとは思っているようです。一度こちらに来てもらえませんか?」


娘さん:「やっと見つかりました・・・ずっと探していて。どうしても会いたかった。今から準備して明日にでもそちらへ行きます。」


状態を伝えるとすぐさま新幹線で次の日には病院へ駆けつけてくれました。

娘さんは小学生の兄弟と一緒に病院へいらっしゃいました。


娘さん:「お父さん、やっと会えたよ〜。
どこ言ってたの。お父さんにどうしてもしゅうとまゆを見せたかったんだ。」


娘さんが来たときには目も開けられないくらい衰弱していた橘さん。
ですが何かを察したのかうっすら目を開け、口元を緩め、「ご・・め・・ん・・な・・あいこ」と最後の言葉を言いました。



数日後、娘さんに看取らながら亡くなりました。

娘さん:「元気な姿を子供に見せられなかったのは残念でしたが、最後にお父さんに孫を見せることができて本当によかった、本当にありがとうございました。」

イラストレーター紹介

イラストレーターのオカ サヤカと申します。
温かいイラストで、皆さまの素敵なエピソードを彩ることができていたら幸いです。
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