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一緒に病気と戦い、乗り越えて・・・『人生最後に江藤さんに恋ができてよかった』

一緒に病気と戦い、乗り越えて・・・『人生最後に江藤さんに恋ができてよかった』

『泣かないで、お別れまでは笑顔で』。7話。看護師は患者さんの身体のケアだけでなく、心の看護もできるとてもやりがいのある仕事です。私は看護師という仕事を誇りに思います・・・

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泣かないで、お別れまでは笑顔で
急性期内科病棟で70代後半、呼吸器疾患の山寺さんのお話です。
山寺さんは、呼吸器をつけて治療にのぞんでいましたが、治療の効果が得られたので呼吸器を外すことになりました。「Free・・・」
医師から今後の治療の方向を伝えられた患者さんは、いきなり呼吸器を外すことに強い不安を抱き、呼吸器を外すことを拒んでいました。「No・・・;」
私は看護師としてできることを考えました。「山寺さんぐあいはいかがですか?」もちろん患者さんの気持ちを100%理解することはできません、なので代わりに医師の説明を受けどう感じたか等をケアの時や訪室時に話を傾聴していきました。
すると山寺さんは少しずつ思いを打ち明けてくれるようになりました。ぽつり・・・「実は・・・な・・・」「はい!」
「呼吸器を外したら、前の苦しい状態になるのではないかと不安なんだ、二度とあんなに苦しい思いをしたくない・・・」ハアッ・・・ゼイゼイ ハア・・・そう答える山寺さんの言葉には強い恐怖心が感じられました。
その恐怖心を和らげるため「呼吸器を外したら苦しい時には呼吸をサポートする機器をつけます」「医師と看護師もきちんと支えてゆきます、安心してください・・・」と、伝えました。ギュ・・・
傾聴していく中で山寺さんの思いを引き出してゆき、少しずつ信頼関係が築きあげられました。「看護師さんがそばにいてくれたら心強いよ。なかなか言いにくい思いも聴いてくれて嬉しかった。」「呼吸器を外す訓練やってみるよ。苦しくなったらすぐに頼むね。」
山寺さんの意志を医師に伝え、少しずつ呼吸器を外していく訓練を行なってゆくと、自力で呼吸を行える状態にまで治癒しました。
急性期での治療を終えた山寺さんは自宅での一人暮らしが困難なため施設への入所待ちとして療養型病棟へ転棟していきました。
転棟してから1ヶ月ほど経過して、医療相談員に山寺さんが、「伝えたいことがあるから病室に来て欲しい」という伝言をいただきました。
病室で山寺さんは泣いていました。「明日退院することになりました。あの時江藤さんが寄り添って応援してくれたお陰で頑張れ得たんです。」「愛しておりました・・・人生最後に江藤さんに恋ができてよかった・・・」
私たちは固い握手をしてお別れをしました。私はその言葉を素直に受け取り心がとても温かく幸せな気持ちになりました。
看護師は医師の治療のサポートも大事な仕事のの一つですが、何よりも患者さんの思いに耳を傾け、身体のケアだけでなく心の看護もできるとてもやりがいのある仕事です。 私は看護師という仕事を誇りに思います。
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